
こんばんは。外資系MRのアスカです。
久しぶりのブログになります。最近のMR活動はいかがでしょうか。
コロナウィルスの影響で、思うように活動できないことにストレスを感じている人も多いのではないでしょうか。
本日は、営業という仕事の中でのMRという仕事について考えてみたいと思います。
営業というジャンルにおけるMRという職種について。

MRの仕事をしている方は、どんな意識で仕事をしているのでしょうか。
製薬会社の営業マンであるので、売り上げに追われているのは、どこの会社も同じだと思います。
一時期、MRの販売目標を無くした会社もありましたが、結果としてあまりうまくいかなかったようですね。
ただ、これは、非常に面白い試みであったことも事実だと思います。
大前提として、製薬会社は営利企業です。
医薬品を売って利益が出ないと、会社として存続できません。
その医薬品を売る部隊がMRです。
しかし、MRという仕事は、Medical Representative(医薬情報担当者)です。
自社医薬品の安全性・有効性をバランスよく紹介して、適正使用を促進することが仕事です。
もちろん完璧な適正使用は難しいので、少しでもそこに近づけることが仕事になります。
そうなると、自社製品をどんどん推していくことはそこに相反する可能性はありますね。
また、その薬が必要な患者さんに届くことが大事なので、売り上げに関しては、ある程度上限があります。
そう考えると、通常の営業マンと同じように、売り上げ目標などを設定することが本当に正しいことなのか?
無理矢理売上目標を達成しようとすることによって、患者さんに不利益を与えることはないのか?
などの疑問がつく部分もあると思います。※もちろんどの会社のMRも適正使用に基づいて情報提供しております。
そうなると、やはり販売目標を設定することが本当に大事なのか?ということには議論の余地はあると思います。
最近では、行動目標にKPIを設定して、それを評価の指標にしている会社も増えていますね。
他の営業と比べたMRはどうなのか?

世の中には、色々な会社の営業マンがいます。
メーカー、保険、証券、コンサルなど、色々なタイプの営業マンがいますが、営業は大きく分けると、「新規営業」と「ルート営業」があると思います。
MRは「ルート営業」に近いと思います。もちろん「新規営業」の側面もありますが、どちらかと言えば、「ルート営業」ですね。
決まった顧客に、定期的に会いにいくのが「ルート営業」です。
まさにMRという仕事はその感覚が近いと思います。
もちろん扱っている薬にもよりますが、新規開拓をするケースは少ないですね。
最近、MRの仕事をしていて感じるのは、MRという仕事の特殊性です。
特に以下の4点が特殊で、他の業界の営業マンからすると、劣る部分だと感じています。
①価格交渉ができない。
②顧客に合わせたカスタマイズができない。
③コンプライアンスがガチガチに厳しく、柔軟な対応ができない。
④アポイントをとって、面会していく意識が低い。
それぞれ感じる部分を細かく紹介していきます。
①価格交渉ができない。
これはMRなら誰もが知っていることですが、基本的にMRは価格交渉に関わることができません。
もちろん全くノータッチではいけないこともありますが、大手であれば、それ専用の部隊がありますし、卸と会社間での話し合いによって決められています。
細かい仕組みは記事にしておりますので、ご確認ください。
参考:薬価改定2020!薬価の仕組みってそもそもどうなってるの?
MRの仕事をやっていると、ここは当たり前ですが、他の業種に転職することを考えた場合、価格交渉が必要になってくるケースは多々あります。
私も価格交渉に関わったことはないですが、医薬品卸の方が1年かかって交渉しているところを見ると、とても大変な仕事であることが感じ取れます。
そんな価格交渉の経験がない営業マンを(価格交渉のある)他業界から見れば、即戦力としての能力は少し劣るものがあると考えられるのは当然ですよね。
②顧客に合わせたカスタマイズができない。
これも扱っている薬によっては、顧客や患者さんの声を反映して、剤形や服用方法など、変更になったケースはあると思いますが、基本的には、変更はありません。
飲み方や効能効果、エビデンスなど、ある程度決まったものなので、それをどうやって販売していくかが大事になります。
これは、業界によってさまざまですが、他業界の営業マンんからすれば、融通を効かせることができないと評価される可能性もありそうですね。
融通を効かせるということは社内での調整が出てくるケースもありますから、社内交渉力の力は必要になるかもしれませんね。
③コンプライアンスがガチガチに厳しく、柔軟な対応ができない。
これも、最近とても強く感じる一面ですね。
元々、製薬業界はある程度コンプライアンスは厳しかったですが、最近はその厳しさが加速しており、営業マンとしてできることの幅がどんどん狭くなってます。
もちろん扱っている製品の特性上であったり、さまざまな事件もありましたので、仕方ないことだと思います。
ここまで厳しくなってくると、そもそも営業マンとしての役割とは?みたいな極論になってしまい、MRはどんどん削られることが容易に想像できます。
もうすでに、MRの削減はどんどん進んでおり、数年後には、さらに加速していると思います。
これも他の営業マンからすれば、柔軟な発想による顧客へのアプローチだったり、固定概念に縛られた営業しかできないといった意味で、MRが劣ってしまう部分だと感じますね。
④アポイントをとって面会していく意識が低い。
最近改善しつつあることですが、元々MR業界は、アポイントをとって会いにいくというよりも、医師が集まる医局前で何時間も医師の戻りを待つのが習慣化していました。
もちろんこの名残は今でも残っていますが、訪問規制の強化などもあり、かなりアポイントベースの活動に移行しているイメージもあります。
また、コロナウィルスの影響で、そもそもアポイントでしか会えなくなったこともあり、この傾向は加速しています。
ここで苦労しているのは、やはりアポイントをとっていくことの難しさだと思います。
もちろん優秀な方や求められるMRであれば、そこまで考える必要はないかもしれませんが、私の感覚ではそんなMRの方が数は少ないです。
ここからはどうやってアポイントを取っていくか、どうやって次に繋げていくかという意識がとても大切になります。
電話やWeb面談なども普及していますが、うまく活用できていないMRの方が圧倒的に多いと思いますね。
このあたりも他の業種では、アポイントが当たり前の業界も多いので、MRが劣っているポイントの一つだと感じています。
では、MRの他と比べて優っている能力とは?

ここまでは、MRという仕事を批判するような内容になってしまいましたが、あくまで個人的な意見でありますし、私自身MRを10年ほどやっているから言えることでもあります。
もちろんMR自体は面白いと思いますし、否定的なわけではありません。
では、ここからは、私が感じるMRが他の業種の営業マンと比べて優っていると感じる部分を書いていきたいと思います。
①顧客との関係構築力、柔軟な対応力
②企画推進力
③市場分析力
④情報収集能力
①顧客との関係構築力、柔軟な対応力
これは、他の営業マンと比べても全く劣ってないと思いますし、むしろ全体的には優っていると感じます。
特に、差別化の難しい薬を扱っているようなMRの方は、ここの能力がずば抜けているケースも多いですね。
他の業界でもあることとして、人間力と言われるような、自分自身がいることでの付加価値を感じてもらえるような人材になることに長けている人も多いですね。
また、顧客と面会さえしてしまえば、持ち前のトーク力と柔軟な対応力である程度のことはなんとかしてしまえる能力の高さもMRの能力の高さだと感じます。
②企画推進力
これは、表現が難しかったのですが、講演会などを実施するときに、講演会日から逆算して考えて、いつまでに何が必要かを把握して、しっかりと準備できるのがMRとしては身に付いてくる能力だと思います。
説明会なんかも同様で、どの部署の誰に案内すべきか、そのためにどこに話を持っていくのが良いのか、など、その辺りの企画推進能力はMRの方は長けている気がします。
他の営業マンがどこまでやるか詳細は知りませんが、イベント運営なんかはMRの方にとっては、比較的うまくできるのではないかと想像できます。
③市場分析力
これは、MRの販売目標にも大きく関わってくる部分なのですが、冒頭でお話したように、MRの販売実績というのは、対前年比が簡単に500%とか300%とかいくような世界ではありません。
もちろんこれも可能性としてはゼロではないので、全くないとは言いませんが、少ないと思います。
ただ、限られたエリアの中で、毎年上がる販売目標をどう達成していくかを考える必要があるので、市場分析は必須の能力です。
これはマーケティングに近いところもあるので、MRの方はエリアマーケティングに長けているとも言えると思います。
市場分析力は、伸ばしておけば、必ず他業界でも使える能力だと思いますので、MRの方はぜひ伸ばしてもらいたいですね。
④情報収集能力
これもMRの方は優れている方が多いです。
営業である以上、情報というのは大きな武器になります。
社外においても、病院、クリニック、医薬品卸など、さまざまなチャネルから情報を収集する能力に長けています。
受付や看護師、薬剤師など、このあたりの情報収集チャネルをいかにうまく使いこなせるかがMRとしての活動をうまくやっていく上では、重要になります。
加えて、個人的に感じることは、社内の情報もどこまで持っているかというのは、情報収集能力の高さのものさしにもなると感じます。
あんまり色々なところに首を突っ込むのもリスクですが、情報が集まる人のとこのには、常に情報が集まってきますからね。
社内外問わず、情報収集能力が高い人は優秀だと思いますね。
営業としての能力を磨け

ここまで書いてきた通り、MRという仕事は、営業という仕事全体見ると、できないことが多く、劣っている部分もあると思います。
ただ、MRのもつ能力の中でも、営業として優れている点があることも確かです。
これからの時代は、MRの数も減ってくることは容易に想像できます。
もちろんその中で生き残っていくことも一つの戦略ですが、他の選択肢も残しておけるように、今のうちから営業マンとしての能力を磨いておくことも大切です。
MRとして磨ける能力の中にも、汎用性の高いものもあれば、低いものもあります。
どれを伸ばしていくかは人によって得手不得手があるので、自分にあった能力を伸ばしていくことをオススメします。
また、他にも今の自分にはないスキルなどを身につけることも一つの手だと思いますので、ぜひ色々考えてみることをオススメします。
私も自分自身をもう一度振り返ってみたいと思います。