
こんばんは。外資系MRのアスカです。
本日は、医師と製薬会社の関係性に関して書いていきたいと思います。
癒着はないですが、ここは切っても切り離せない関係ですね。
医師と製薬会社のお金の関係は?

これって気になっているけど、なかなか表には出てこないし、聞きにくいし、聞いたとしても本当はどうなのかわからないことが多いですよね。
私もたまにテレビドラマで見ますが、製薬会社のMRが出てきて、医師に札束を渡すような描写もあります。
最初に断っておきますが、あんなことは絶対にありません!
医師に何か依頼をして、謝礼としてお金を渡すこともありますが、そもそも札束になるほどのお金は払いませんし、ましてや現金を手渡しなんてそんなことありません。
間違いなく振込ですね。
そもそもそんな大金を持って歩くことが怖いですよね。
昔はどうなのか分かりませんが、今は製薬会社も医師も透明性をかなり求められているので、圧倒的にクリアな業界です。
それに生命関連製品なので、厚生労働省からかなり厳しく見られているので、むしろ他の業界よりも透明性は高いと思います。
製薬会社から医師への謝礼は全て公開されている。
基本的に製薬会社から医師へのお金の流れはクリアにされています。
製薬会社のホームページにも誰に何の用件でいくら謝礼を支払っているか全て明記されています。
最近は、便利なホームページも出ていて、下記のページから医師の名前を検索すれば、医師別で謝礼の額が全部出てきます。
参考:ワセダクロニクル
こうなってくると、その疾患の世界はで有名な医師はかなりの謝礼金をもらっていることがわかりません。
もちろん各社から謝礼金をもらってるので、どこか1社に偏っているような人は少ないですけどね。
逆にある1社の謝礼金が圧倒的に多いとそれこそ癒着を疑ってしまいますね。
ただ、そういう事例はないわけではありません。
基本的に謝礼金は、講演や監修などに対して支払われているケースが多いです。
有名な先生であれば、1回の講演で5〜10万円の謝礼が支払われます。
その数が他社と比べて明らかに多い医師というのも実際にいます。
癒着とまでは言いませんが、ご贔屓にしてるケースは少なからずある。

癒着って言うとなんか悪いイメージあるかもしれませんが、ご贔屓にしてるくらいは正直あると思います。
希少疾患や競合製品の少ない薬だと、そうでもないかもしれませんが、競合製品がある場合は、有名な先生は同じなので、どこの会社もこぞって講演をお願いしています。
もちろん全国的に有名な施設で、権威のある先生であれば基本的には適正使用の推進という意味では講演してもらうべきです。
その医師本人の考え方にも大きく左右されるので、各社必死で情報提供を行なっています。
そんな中でどこかの会社がどんどん講演を依頼して、その会社の薬の話をする機会が多くなってくると、だんだんとその薬の使用量が増えていくこともあります。
もちろん謝礼の金額が薬の選択を直接左右することはないですが、どちらの薬を使ってもそこまで大差がない場合は、自分ならどうするでしょうか。
患者さんの状況を考えて薬が選択されるべきではありますが、ある程度医師の好みによって偏りが出る場合もあります。
それによって患者さんに不利益があることはないです。
これからの製薬会社と医師の間のお金の在り方

正直、このご贔屓という点に関しても、あまり良いことではないと思います。
ただ、より適正使用を推進したい、より正しく多くの情報を医師に届けたいという思いの現れとも取れます。
そう言った思いが、何度も講演を依頼するというカタチに変わっているのかもしれません。
確かに、色々な情報を知っている方が何か起こった時にもすぐに対応できるので、安心感があるとも言えます。
ただ、ある一人の先生に、ある1社からの謝礼が偏りすぎているのも問題だと思います。
後から出てきた類似薬の入り込む隙間がないですから。
この点に関しては、今後は薬の開発に関しても問題があると思っていて、これからはMRという仕事の働き方も変わってくると思います。
色々なデジタルツールが出てきて、医師との関係性も今よりも希薄になる可能性もあります。
そうなった時に、類似薬を開発していると、先に出ている薬とどちらが良いのかなどの議論をしなければならず、無駄なお金が投入される可能性もあります。
そういう意味では、類似薬は2つないしは3つまでに抑えておく必要があります。
まあ、将来のことはどうなるかわかりませんが、現在は医師と製薬会社のお金の流れはかなりクリアになっているので、変な癒着はありません。
ただ、この謝礼金によるご贔屓みたいなことはないこともないので、そこを人道的に上手く活用していけるかどうかというのはMRの腕にかかっているところもあります。
数年前にGSKが講演会自体を営業サイドの仕事から外して、本社の取り扱いにした時は、今後は外資系の会社からこうなっていく流れなのかな。と思っていました。
ところが意外とその流れは広まらず、今でも営業側で講演会を取り扱っているところは多いです。
今後は営業サイドから本社取り扱いになるかもしれませんが、まだMRが使えるツールの一つとして、上手く活用していきましょう!